24B1600054
神奈川大学シルバー21 主催
能登―地震から何を学ぶか―【対面講座】  

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講座概要

講座番号 24B1600054
期間 2025年2月21日 ~ 2025年3月21日
回数 5回
曜日
時間 14:00~15:30
定員 50名  ※先着順に受け付け、定員に達し次第締め切ります。
受講料 10,000円 9,000円
申込期間 2024年9月2日 ~ 2025年2月7日
※申込期間後も定員に余裕がある場合は、受け付けますのでお問い合わせください。
会場 KUポートスクエア
講座レベル なし
教材 あり(資料配布または参考程度)

※ 受講料には、教材費(一部の講座を除く)及び消費税が含まれます。
※ 受講者区分 一般の方:一般の方 神奈川大学生・卒業生等神奈川大学生・卒業生等
※ 受講者区分が 一般の方で、前年度、生涯学習・エクステンション講座の受講歴(一部講座除く)がある方は、受講料を5%割り引きます。

※ 開講日程や時間は、講師の緊急な都合などにより変更する場合があります。
※ 定員に満たない場合は、開講できないことがあります。

内容

2024年元旦に能登半島で発生した地震は、衝撃的でした。時間が経つにつれてその被害がいかに深刻であるか、明らかになってきました。ところで、能登あるいは能登半島について一般にどれだけのことが知られているでしょうか。輪島の朝市、伝統産業である輪島塗や珠洲焼、北前船の寄港地、さらには景勝地と知られる禄剛崎岬などについては、TV番組などで見たり聞いたりしたことはあると思います。
この講座では、能登に関わる社会・歴史、文化・産業、地質・自然、過疎化と復興、防災などの観点から、それぞれの分野の専門家に多角的かつ分かりやすく話をしてもらいます。その上で、今回の能登半島地震が半島に特有の地形・地質にどのような影響を与えたのか、また村や町の過疎化と復興の問題、さらには防災等のあり方について、皆さんと一緒に考えていこうと思います。
以前に発生した阪神・淡路、東日本大震災、中越地震、熊本地震との相違点を見いだすとともに、今後に予想される東海・東南海・南海地震の防災等についてのヒントを見いだしていただければと思います。

講座日程

開講月日 内容
第1回 2025/02/21 能登半島から日本の過去と現在を考える(橘川 俊忠)
神奈川大学日本常民文化研究所は、30年以上前から輪島市町野地区を中心とした奥能登地域の調査を実施してきた。最初は、中央から離れた僻遠の地、中世以来の豪族の家も残り、日本の古い歴史と文化の研究にはもってこいの地域に違いないという期待があった。しかし、調査を進めるとその期待はものの見事に裏切られた。そこには、常識的日本史像を覆す重要な資料が大量にあった。能登を襲った今回の大地震は、そういう貴重な資料を危機にさらしている。それのみならず現在の日本に突き付けている多くの深刻な問題について考えたい。
第2回 2025/02/28 被災古文書にみる奥能登の歴史(関口 博巨)
2024年1月1日、能登半島を未曾有の巨大地震が襲った。家屋の倒壊、大規模な火災、地殻変動による海岸線の隆起など、その被害状況については報道をとおしてご存じの方も多いだろう。だが、古文書などの文化財も被災していることは、あまり知られていない。日本常民文化研究所(現在は神奈川大学日本常民文化研究所)と能登との関係は古く、1950年にまでさかのぼる。奥能登時国家文書をはじめ研究所が調査してきた古文書の被災状況について報告し、あわせて被災した古文書がどのような歴史像を描き出していたのか紹介する。
第3回 2025/03/07 海に開かれた能登(泉 雅博)
海に閉ざされた辺境、停滞的後進地域という能登半島の歴史像は、13年間におよんだ神奈川大学日本常民文化研究所による「時国家と奥能登地域の調査」の研究成果によってくつがえされた。ここでは、その研究成果の一端とともに新たな史実を紹介し、特に廻船交易を中心にして海に開かれた能登の姿を明らかにしたい。能登の自然、歴史と文化を損なうことのないような、地震からの復興への歩みを願い。
第4回 2025/03/14 地域人口から見る能登の特徴(平井 誠)
災害からの復興を果たす上で、地域人口(居住者)の動向を理解することは重要である。今回は、能登地域の地域人口(居住者)について、空間的な分布や人口構造から、その特徴を検討する。さらに地震により地域人口がどのような影響を受けたかを分析し、復興への課題を探る。
第5回 2025/03/21 能登半島地震から見る地質・自然・防災(落合 努)
最初に能登半島地震について地震学的な視点からの特徴や被害の概要を説明する。その後に、能登の地形・地質の特徴とそれに関連した地震被害の特徴について解説を行う。最後に、能登地域と神奈川県とを対比することで、防災上の問題点などを紹介する。

講師紹介

橘川 俊忠

神奈川大学名誉教授
1945年生まれ。東京大学法学部卒業。専門は日本政治思想史。著書に『近代批判の思想』(論創社)、『歴史解読の視座』『日本の民俗学者―人と学問』(以上、共著、御茶の水書房)、『奥能登と時国家研究編2』(平凡社)、『終わりなき戦後を問う』(明石書店)、『丸山眞男「日本政治思想史研究」を読む』(日本評論社)などがある。

関口 博巨

神奈川大学国際日本学部教授
神奈川大学日本常民文化研究所所長。博士(歴史民俗資料学)。専門は日本近世史。著書に『近世村落の領域と身分』(吉川弘文館)、『古文書を学ぶ―市川海老蔵の証文から』(御茶の水書房)、編書に『古文書修復講座』(勉誠社)などがある。

泉 雅博

日本常民文化研究所客員研究員
跡見学園女子大学名誉教授。神奈川大学日本常民文化研究所客員研究員。博士(歴史民俗資料学)。13年間に及んだ神奈川大学日本常民文化研究所主催の「時国家と奥能登地域の調査」に参加。日本近世史を専門としており、いわゆる「地方文書」を中心に、地域に生きた人びとの眼差しから日本の歴史を捉え返す、そのような研究を信条としてきた。

平井 誠

神奈川大学人間科学部教授
地理学(人口地理学)を専門としており、特に、高齢化の地域差や、高齢人口の分布に影響を与える高齢者の居住地移動を分析している。
人間科学部のゼミでは、学生と日本各地を巡りそれぞれの地域の特徴を考えている。

落合 努

神奈川大学建築学部特別助教
博士(工学)、技術士(建設部門)
神奈川大学大学院修了後、地盤調査会社や建設コンサルタント会社での実務経験を経て2019年から神奈川大学に所属。専門分野は地盤震動、都市防災。

※講師については都合により変更する場合があります

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