満員御礼
講座番号 | 24B1600017 |
期間 | 2024年10月5日 ~ 2024年11月2日 |
回数 | 5回 |
曜日 | 土 |
時間 | 13:00~14:30 |
定員 | 30名 ※先着順に受け付け、定員に達し次第締め切ります。 |
受講料 | 9,000円 8,100円 |
申込期間 |
2024年9月2日 ~
2024年9月24日 ※申込期間後も定員に余裕がある場合は、受け付けますのでお問い合わせください。 |
会場 | KUポートスクエア |
講座レベル | なし |
教材 | なし ※講師の判断でプリント等を配布することがございます。 |
※ 受講料には、教材費(一部の講座を除く)及び消費税が含まれます。
※ 受講者区分 :一般の方
:神奈川大学生・卒業生等および協議会加盟大学在学生
※ 受講者区分が で、前年度、生涯学習・エクステンション講座の受講歴(一部講座除く)がある方は、受講料を5%割り引きます。
※ 開講日程や時間は、講師の緊急な都合などにより変更する場合があります。
※ 定員に満たない場合は、開講できないことがあります。
歴史は単なる過去の出来事の再現ではなく、そもそも過去の完全なる再現は不可能です。過去の出来事のうち、現在を生きる人間の関心・意識によって「選択」された「事実」のみが「記述」されて歴史となります。過去の出来事は、「選択」と「記述」という人間の作業を経て、「歴史」となり、その人間の作業の過程で、意識的にせよ、無意識的にせよ作為が介入します。場合によっては虚偽が紛れ込み、さらに歴史は、個人や家族あるいは地域などの小単位から、人類・地球・宇宙という巨大な単位を枠組みとして記述されることもあります。その枠組みのうち、最も普通に選ばれるのが国家や民族という枠組みであり、ナショナリズムによる歴史の利用という問題の基礎には、この「選択・記述・枠組み」の問題が潜んでいます。この問題に無自覚な時、歴史の歪曲が始まるのです。本講座では、現代日本社会のみならず世界に広がっている歴史を利用するナショナリズムの問題について論じます。
回 | 開講月日 | 内容 |
---|---|---|
第1回 | 2024/10/05 |
『近代歴史学の形成とナショナリズム』 近代の歴史学は、19世紀ドイツの歴史家ランケに始まるとされますが、彼の歴史学は実証主義とロマン主義思想との結合といわれます。このランケの歴史学の検討を通じてナショナリズムと歴史の関係の問題について分析します。 |
第2回 | 2024/10/12 |
『歴史主義の諸相』 近代歴史学は、実証主義という方法論に関わる問題から歴史観・歴史意識という世界観に関わる問題をも含み込み、歴史主義という近代特有の論理を展開しました。多様な思想傾向を含む歴史主義の諸相を、とくに史的唯物論の問題を中心に検討します。 |
第3回 | 2024/10/19 |
『歴史主義批判の論理』 第一次大戦後、文明論的歴史論と歴史主義批判の登場によって「歴史」は一つの危機を迎えます。シュペングラー『西洋の没落』とポッパー『歴史主義の貧困』を例として、世界大戦期の「歴史の危機」について考察します。 |
第4回 | 2024/10/26 |
『歴史のための「弁明」あるいは「たたかい」は可能か』 世界大戦期、新たな歴史研究が登場し、重要な成果をあげるようになりますが、その代表ともいうべき、フランスのアナール派の中心的研究者マルク・ブロック、リュシアン・フェーブルの主張を検討します。 |
第5回 | 2024/11/02 |
『「表象の歴史学」の挑戦とその批判』 東西冷戦後、再び文明論的歴史の流行と文芸批評的歴史記述分析による「歴史主義批判」が提起されました。そのような歴史をめぐる現代の思想状況を概観し、現代にふさわしい「新しい歴史」の可能性について考えます。 |
神奈川大学名誉教授
1945年生まれ。東京大学法学部卒業。専門は日本政治思想史。著書に『近代批判の思想』(論創社)、『歴史解読の視座』『日本の民俗学者―人と学問』(以上、共著、御茶の水書房)、『奥能登と時国家研究編2』(平凡社)、『終わりなき戦後を問う』(明石書店)、『丸山眞男「日本政治思想史研究」を読む』(日本評論社)などがある。
※講師については都合により変更する場合があります
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